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本研究室について

私たちは心理学や社会科学における統計的方法、とくにベイズ統計学的なアプローチに大きな関心を持って研究を進めています。

心理学をはじめとする諸分野において、「統計改革」が進んでいます。
一昔前までは、利用される統計分析法というのはいくつかの限られた種類でしかなく、データの方を○○分析の形にあわせて利用していました。たとえば「上位群・下位群分析」に代表されるように、データが元々持っている情報を捨ててまで分散分析のできる形に変換し、ソフトウェアで数クリックして定型的な分析を行う、という時代がありました。

こうした枠組みは、いちど分散分析の「お作法」を覚えてしまえば、それ以降覚えることが少なくてすみます。みんなが分析法を知っている安心感もあります。しかし、大きな問題があります。それはデータを無理やり既存の分析法という「型」にねじ込むために、データが、そして研究者が本来持っている情報の多くを無駄にしてしまうことです。こうした分析では、データに合わない統計モデルを無理に用いているために、定量的な議論をすること、そしてデータに基づいた予測をすることが困難です。

この問題を解決するにはどうすればよいでしょうか? 一つの答えは、データの生成メカニズムを反映した、より現実に即した統計モデルを作り、それを用いて推定や予測を行うことです。データを統計分析に合わせるのではなく、統計分析の方を柔軟にデータに合わせていこうという発想です。そして、ベイズ統計学はこういったアイディアと、非常に相性がよいです。マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法の発展によって、データの持つ階層性・集団差と個人差・顕在変数と潜在変数といったさまざまな特徴を考慮した、豊かな統計モデルを使っての推定と予測―それも点ではなく分布による―が可能になっています。これは、せいぜい最近10-20年の、とても大きな変化です。

『伝えるための心理統計』では仮説検定のロジックや利用法に対するアンチテーゼとしてのベイズ統計学の隆盛について書きましたが、もう一つの大きな流れは上記のような、モデリングにおける優位点に基づくものです。私たちは、この両方に関心を持って研究を進めています。
研究室メンバーの研究テーマはさまざまであり、理論寄りの人も応用寄りの人もいますが、岡田の関心のあるキーワードをいくつか挙げてみます。

・ベイズ統計モデリング
・効果量とメタ分析
・モデル選択・評価・予測
・個人差と集団差
・測定の信頼性
・統計的因果推論
・統計的意思決定理論

データが肉や野菜といった食材だとすれば、統計分析は料理法に相当するでしょう。どんな食材もとにかく炒め物にしていた時代は終わりつつあります。食材に合わせた豊富なレシピが提案され、多くの食材を便利に調理できる電子レンジも普及して、料理法が古い枠組みから新しい枠組みへと変わろうとしているのが、今現在の心理統計学をとりまく情勢です。研究テーマは豊富にあり、私たちの研究を役立てるチャンスだと思います。 今年度は岡田が在外研究のため、日本での研究室訪問等をお受けすることは残念ながら難しいですが、来年度以降はまた、心理統計・ベイズ統計学の研究に関心を持つ方と一緒に研究を進めていけたらと思います。メールでの連絡・相談を歓迎します。
(スパム対策のため画像化してあります…)

研究室メンバー

学部
■4年 4名
■3年 1名
大学院
■在外研究のため、学内制度上、昨年度在籍していた修士課程の3名(現M2)、今年度の新M1 1名は、今年度に限りほかの先生に指導をお願いしています。統計的方法の研究を進めている大学院生とは、定期的にSkypeでのミーティングを行っています。

■ 本研究室の大学院生の論文が教育心理学研究誌に発表されました。(2015/08) [PDF]
■ 本研究室の大学院生がMathPsych 2015 (Newport Beach, CA, USA)で発表を行いました。(2015/07) [PDF] (p.90)
■ 本研究室の学部生チームが第4回スポーツデータ解析コンペティション成果報告会で発表を行いました。(2014/12) [PDF]
■ 本研究室の学部生チームが数理システムの学生研究奨励賞で佳作に入選しました。(2014/11) [LINK]

■本学心理科学研究センターが採択されている、私立大学戦略的研究基盤形成支援事業『融合的心理科学の創成:心の連続性を探る』のプロジェクトに本研究室は積極的に参加しています。[LINK]
■大学院入試情報はこちらにあります。

研究室紹介資料

■大学公式ページの研究室紹介はこちらです。

■以下の情報はやや古いですが、以前作成した資料です。オープンキャンパスや学会イベント等の行事のために作成したものです。 Get Adobe Reader

余談

各ページ上に配置している写真は、本学科のフロアから眺めた都心方面です。
(個人的に)とても気に入っています。夜は東京タワーとスカイツリーがきれいです。空気の綺麗な朝は筑波山まで見通すことができます。